1.ハルジオン
作詞:藤原基央
作曲:藤原基央
虹を作ってた 手を伸ばしたら 消えてった
ブリキのジョウロをぶらさげて 立ち尽くした 昼下がり
名前があったなぁ 白くて 背の高い花
視界の外れで 忘れられた様に 咲いてた
色褪せて 霞んでいく 記憶の中 ただひとつ
思い出せる 忘れられたままの花
いつだったっけなぁ 傷を濡らした あの日も
滲んだ景色の中で 滲まずに 揺れてた
いつだったっけなぁ 自分に嘘をついた日も
正しいリズムで 風と唄う様に 揺れてた
いつの日も ふと 気付けば 僕のすぐそばで
どんな時も 白いまま 揺れてた 誰のタメ? 何のタメ?
生きていく意味を 失くした時
自分の価値を 忘れた時
ほら 見える 揺れる白い花
ただひとつ 思い出せる 折れる事なく 揺れる
虹を作ってた 一度 触れてみたかった
大人になったら 鼻で笑い飛ばす 夢と希望
ところが 僕らは 気付かずに 繰り返してる
大人になっても 虹を作っては 手を伸ばす
幾つもの景色を 通り過ぎた人に 問う
君を今 動かすモノは何? その色は? その位置は?
夢なら どこかに 落としてきた
希望と 遙かな距離を置いた
ほら 今も 揺れる白い花
僕は気付かなかった 色も位置も知っていた
虹を作ってた いつしか花は枯れてた
視界にあるのは 数えきれない 水たまりだけ
大事な何かが 音も立てずに枯れてた
ブリキのジョウロが 涙で満ちてった
まだ
虹を作ってる すがる様に繰り返してる
触れられないって事も 知りながら 手を伸ばす
名前があったなぁ 白くて 背の高い花
枯れて解ったよ あれは僕のタメ 咲いてた
気付くのが 遅くて うなだれた 僕の目が
捕らえたのは 水たまりの中の 小さな芽 新しい芽
生きていく意味と また 出会えた
自分の価値が 今 生まれた
枯れても 枯れない花が咲く
僕の中に深く 根を張る
ほら ここに 揺れる白い花
僕は気付かなかった 忘れられていた名前
僕の中で揺れるなら
折れる事なく揺れる 揺るぎない信念だろう
2.彼女と星の椅子
作詞:藤原基央・直井由文
作曲:藤原基央・直井由文
テレビの前で 彼女は一人
椅子に座って 煙草に火を付けた
テレビの中 唄う スターを見て
煙と共に 皮肉を吐いてる
本当はスターになりたい君が
何も出来ず 椅子に座ってる
散々 人に当たったって
自分が 惨めになるだけさ
こんな 損な事はないよ?
夜の窓辺で 彼女は一人
星に向けて 歌を唄ってる
「私は一体 何がしたいんだろう?」
不安と共に 煙草をくわえた
本当はスターになりたい君が
怯えながら 唄う その歌は
一番 君を解っていて
何度も 君を守ってきた
どんな とんがった雨からも
さぁ!まわりを見てごらん
最初に君が 立つべき舞台は すぐ近くに
朝の窓辺で 彼女は一人
椅子に座って 歌を唄ってる
本当の君を もっと見て欲しい君が
君に唄う 最初のメロディ
散々 今まで唄ってきて
開演待たずに「はい、カット!」
そんな、そんな終わり方はないよ!
だんだん 自分に近づいて
自分が 充分 見えるだろう?
そんな、そんな幸せはないよ!
テレビの前で 彼女が一人
椅子に立って 歌を唄ってる
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